濡れた革靴の手入れ方法 ホーム・ガーデニング


ゲリラ豪雨もすっかり鳴りを潜めてしまいタイムリーでは無くなってしまったけど、
「女心と秋の空」の格言通りまだパラパラと雨が降る秋の季節です。

少々タイミングを逸した気がしなくもないですが、濡れた革靴の手入れ方法を紹介してみます。

雨の日用または兼用の革靴を

まずは手入れ方法と言いながら、いきなり矛盾してしまいますが、ど雨の日用の革靴を別途用意した方が良いです。
雨の日用とは何なのかと言うとその名もずばりの雨の日にだけ履く用の革靴、
または雨の日でも履ける革靴のことです。

ウォータープルーフ加工がされた革を使った革靴や靴底が革ではなくゴムや特殊な素材で作られた革靴が
色々なメーカーから発売されています。私が好んで履いているスコッチグレインも製造しています。
ただご存知の通り格好良さやスタイリッシュさとはかけ離れたデザインが多く、
また特殊な加工がされているだけあって値段も高価だったりします。

私の場合は艶やかな革が使われた革靴で革靴にゴムを貼ったものを雨の日、晴れの日兼用にしています。
「艶やかな革」と言うのを伝えるのが難しいのですが、普通の革よりもガラスのような光沢がある革です。
普通の革よりも耐水性があって雨に降られてもある程度は水滴の粒となって表面を滑り落ち、革が直ぐには
塗れません。多分皮のなめし方が特殊なんだと思います。

革靴にゴムを貼るのは、本当は革底特有のカッカッと歩く音が鈍くなりあまり好きでは無いのですが、
革底から水が染み込むのを防ぐためです。
革底は歩いていると段々と削れます。削れると言うことは細かい傷が着いていることなので、
そこから水が染み込みやすくなってしまい、簡単に靴の内部まで塗れてしまうことになります。
なので予めゴムを張っておき、靴底の革が傷つかないようにしておきます。

塗れた革靴の手入れ方法(1)徹底的乾かす

それではいよいよ雨に濡れてしまった靴の手入れ方法です。
普段履き用の靴を履いてて突然の雨に降られてグショグショに塗れてしまったという経験がある人も多いと思います。

革靴が塗れてしまったらまずは形を整えて徹底的に乾かすこと、乾かしたら栄養クリームをタップリ与えること、
シューキーパで形を整えることです。

最初の手順の濡れた靴を乾かすのには新聞紙を使います。
新聞紙を丸めて靴の爪先の形に整形して爪先に突っ込みます。
コツは靴の履きジワがある程度伸びるようにして、靴の形が変形しないように整えることです。
水に塗れた革は柔らかく形が崩れやすいです。
新聞紙をシューキーパの代わりに使うような気持ちで形を整えましょう。
くれぐれも力を入れすぎずに。靴が変形する恐れがあります。
また、突っ込んだ新聞紙の反対側が少し靴からはみ出るようにします。つまり靴の履き口から新聞紙がはみ出ている状態です。こうすると新聞紙が吸い出した水が蒸発しやすくなります。

また、靴に着いた汚れを軽く落として置きましょう。
泥だとなかなか落ちませんが、軽くぬぐう感じで、砂や木の枝等の固形物はブラッシングして落としておきます。
ここれである程度汚れを落としておくと後々楽です。

最後に、風通しの良い日陰の壁に爪先を立てかけるようにして靴が斜めになった状態で乾かします。
絶対に日向に干してはいけません。革がひび割れてしまい再生不可能な状態になる危険性があります。
風通しの良い日陰で乾かすようにしましょう。

乾かす期間は塗れ具合にもよりますが、私の場合は2〜4日間ほどです。ひどく濡れてしまった場合は1週間近く
乾かすこともあります。
乾かす際のコツは、まめに新聞紙を交換することです。これで少しは早く乾きます。
また塗れた新聞紙を靴に入れたまま放置すると新聞紙に吸い取られた水でまた靴が塗れてしまうので注意です。

塗れた革靴の手入れ方法(2)栄養クリームを多めに与える

濡れた靴が乾いたら、今度は栄養クリームで靴に栄養を与えます。
いまさら言うことではないですが、革は生き物ですので定期的に栄養を与える必要があります。
雨に濡れてしまった革は水に栄養分が溶け出してしまい、かなりダメージを受けています。ダメージを癒すために少々大目に栄養クリームを塗ります。

栄養クリームは色々とありますが、やっぱり「M.モゥブレイのデリケートクリーム」がお勧めです。
革製品を買ったときに手入れ用のクリームとして勧められて方もいらっしゃると思います。
余談ですが、HENRY BEGUELIN(エンリーベグリン)でも同じものを勧められたことがあります。
濡れた靴はかなりのダメージを受けていますので数回に渡ってデリケートクリームを塗りこんで栄養を与えます。
ただ、栄養クリームを与える前に靴に付着した汚れを落としておきましょう。
まずは全体的にブラッシングをして大まかに汚れを落とします。
こびりついたり挟まっている汚れは歯ブラシを使って掻き出しましょう。
この時は強くやり過ぎて革を傷つけないように気をつけてください。
最後にブラッシングを全体的にして汚れやホコリを落としましょう。


ブラッシングだけで落ちない汚れやこびり付いてしまっている汚れは靴の手入れの定番商品の
「ステインリムーバー」で落とします。
古くなったTシャツ等の布にステインリムーバーを少量とって汚れている部分を重点的に拭います。
この時もあまり力を込めずに拭いましょう。私の場合は一応全体的に汚れをとる気持ちで拭いておきます。

ステインリムーバーで汚れを拭ったら、次にデリケートクリームで栄養を与えます。
1回目は全体的に塗りこみます。
この時紐靴だったら紐を解いてタンの裏側や紐を通す部分にもしっかりを塗りましょう。
また革底との接合部分も忘れずに。

1回目が塗り終わったら革に染み込むのをまって、2回、3回と同じ手順を繰り返します。
革の状態を見ながらですが、もう少し塗った良い場合はもう少し塗って見ましょう。
ただ、塗りすぎは汚れの原因になるので注意です。

塗れた革靴の手入れ方法(3)靴底にも忘れずに栄養を

革靴のアッパーには栄養クリームを塗るけれども、靴底にはクリームを塗らないという方がたまにいます。
靴底がゴム等の革以外の素材であれば塗る必要はありませんが、
革であれば上にも書いたとおり、革は生きていますので栄養が必要です。


底の革に栄養を与えるのにデリケートクリームも良いと思いますが、自分的にはコロニル社の「ソールトニック」を
使っています。これは革底専用の栄養剤で、商品説明から引用すると以下の通りです。

高級革製の靴底にフロライトカーボン樹脂を含浸させ、水の浸透を防ぎ、保護しながら長持ちさせ、同時に通気性も維持します。

雨の場合は革底が一番ダメージを受けます。水に濡れて柔らかくなって傷つきやすいなりますし、水に濡れた路面の上を歩く等、常に水に濡れた状態に晒されがちです。
なので、革底にも忘れずに栄養を与えましょう。

塗れた革靴の手入れ方法(4)シューキーパで保管

最後の手順ですが、これは蛇足的です。濡れた靴も乾き、アッパーと靴底へ栄養を与えた後はシューキーパーで形を整えて崩れないようにします。

これは個人的に行っていることなんですが、シューキーパーを入れた後直ぐには下駄箱にしまわないで
1日、2日は玄関に放置します。
念のためなんですが、幾ら乾かしたとは言え、まだ靴の中に湿気がある可能性がありますので、しばらく放置し
それから下駄箱に入れます。

他の人の下駄箱はどうなっているか知りませんが、私の下駄箱には一応除湿剤を入れてありますが、
結構詰め詰めに靴が入っています。
そのまま靴を入れてしまうと、最悪の場合靴に黴が生えてしまう恐れがあります。

普段の靴の手入れでもそうなのですが、1日履いた後の靴は一夜玄関に放置します。
靴が吸った湿気を抜くためです。翌日の朝にシューキーパーを入れて下駄箱へ仕舞います。
脱いだ後直ぐにシューキーパーで整形しないと形崩れが起きてしまうという意見もありますが、
私が持っているシューキーパーは木製ではなくプラスティック製の物が多いので、湿気を吸い込んではくれません。
なので、下駄箱には直ぐに入れずに玄関で湿気を飛ばした後に下駄箱へ仕舞うという手順にしています。

最後に

革靴の天敵というのはやっぱり水じゃないでしょうか。革に弾力を持たせ、瑞々しさを保つためにはある程度の水分は必要ですが、革靴がビショ濡れになってしまうほど水は革に大きなダメージを与えます。

ビショ濡れになってしまっても、革靴はしっかりと手入れすれば、革靴は蘇ります。反対に碌に手入れをしないと革靴は直ぐにダメになってしまいます。しっかりとした革でしっかりとした製法で作られた革靴は十年は裕に持つと言いますが、そこそこの革靴だって手入れをすれば長生きします。

愛着のある一足を育てるためにも、愛着ある一足を大事に履くためにも革靴の手入れはしっかりやりましょう。

引用元URL: http://amatoboss.blog31.fc2.com/blog-entry-618.html