テレビゲーム攻略本の選び方のコツ アート・エンターテイメント

テレビゲームの攻略本は、一部を除き最近では大体2000円近くしますが、
出来が値段に比例しているかといえばそうではなく、ダメな本も多数存在します。
決して安くはないお金を出すのですから、せっかくなら使える本をちゃんと選びたいですよね。そこでここでは意外と知られていないゲーム攻略本選びのコツをお教えします。
「本の中身が確認できない場合」と「確認できる場合」とでそれぞれ選び方のコツを書いてみましたので、どれを買っていいか迷った時の参考にしてください。

中身の確認ができない場合
中身が確認できればそれにこしたことはないのですが、
それが無理な場合は出版社やカバー、前情報などを頼りに判断します。
出版社で判断する

赤坂新社屋01 / kuzyoken
出版社で内容を推察するというものです。現在、攻略本を出している出版社は何社かありますが、以下でまとめたようにそれぞれで傾向が異なります。
ひいきの出版社を持ってしまうのもありかもしれません。

• エンターブレイン
現在最も攻略本を出している出版社。ファミ通書籍編集部から出るもの以外に、アルカディアとファミ通XBOX360編集のムック・攻略本がある。ネット上では「大・丈・夫?ファミ通の攻略本だよ」と揶揄され、嘲笑されることも多いが、一部の本のクリティカルな出来事に即した話であり、すべての本が「大・丈・夫?」というわけではない。実際に本を作っている会社やスタッフ、担当編集によりけりなので、可能であれば奥付を確認するとよい。

一部の本のクリティカルな出来事とは……?
最近だととくに顕著なのは以下の二つ。

•アスキーメディアワークス
いわゆる「電撃の攻略本」を出している出版社。エンターブレインがやらないような細いタイトルを扱うことが多いが、いかんせん部数が刷れないために本の値段が高い。奥付を見る限り、あまり制作会社を使わず、編集者がフリーのライターを使用するスタイルが最近は多い模様。製作サイドが「仕事でやってます」、というよりかは命を削ってやっている(印象を受ける)ので、力を入れているタイトルの本(大体ページ数が多くて価格も安めのもの)はクオリティが高い。ただし、情報規制の兼ね合いで内容が中途半端な本があるので、そこのところは注意(※)。

「ザ・マスターガイド」と「ザ・コンプリートガイド」
アスキーメディアワークスの攻略本には「ザ・マスターガイド」と「ザ・コンプリートガイド」が存在するが、この二つの違いは前者が「情報規制の兼ね合いでデータが不完全なもの」で、後者が「情報が完全に載っているもの」。モンスターハンターなどの、出版社によって情報規制がわかれているゲームはエンターブレインが完全本を出す政治的な理由で、メディアワークスの本はザ・マスターガイドとなることが多い。

意外と珍しい攻略本の製作レポートは必見
MHP3rdの攻略本では、なかなか普段は見ることのできない制作の裏側を紹介している。
「モンスターハンターポータブル 3rd ザ・マスターガイド」制作レポート
この本は上記でも触れている情報規制の兼ね合いで必要なデータが中途半端な形でしか載っておらず、ネット上では酷評が多かったが、それら以外の頑張りは見るところが多い本である。

•ソフトバンククリエイティブ
昔は多数攻略本を出していたが、現在はピンポイントで何点か出しているのみ。過去は卍党がてがけていた鉄拳シリーズや、スーパーロボット大戦シリーズの攻略本の評価が高かったのだが、どちらもここ最近は動きが見られない(後者は『第2次スーパーロボット大戦Z』の攻略本を出さなかったことから今後も出す可能性は低い)。FF11やMHFなどのオンラインゲームの攻略本は分冊な上値段が高いものの、評判は悪くない。単発の家庭用ゲームの攻略本は非常に当たり外れが大きく、かつやはり値段が高いためややバクチ要素が高い。

•集英社
Vジャンプブックスとして、主にジャンプ連載漫画を原作に持つゲームや、スクウェア・エニックスの一部タイトル、テイルズシリーズなどの攻略本を手掛ける。ゲームの発売と同時に出す本はついつい手を出してしまいたくなるが、基本的に内容が薄い。

•山下書店
おもに「バンダイナムコゲームスブックス」というバンダイナムコのゲームの攻略本を出している。バンダイナムコが直に持っている出版社ではないが、ほぼバンダイナムコ自身が出しているという体になっており、他社の攻略本よりも設定資料やインタビューなどプラスαに優れている。

バンダイナムコゲームスブックスのラインナップについて
バンダイナムコゲームスブックスはバンダイナムコのゲームの攻略本を出すブランドであるが、そのラインナップはテイルズシリーズに大きく偏っている。ほかに出ているのはギレンの野望、Gジェネシリーズ、ソウルキャリバーシリーズくらいで、出せば売れるであろうスーパーロボット大戦シリーズの攻略本は手掛けていない。

•ホビージャパン
カードゲームのほか、アーケードゲームの記事も展開していたゲームジャパン編集部によるアーケードゲームや家庭用ゲームの攻略本が出ている。そのため、あまり手掛けているタイトルは多くなく、クイーンズゲイトなどの自社版権ものやボーダーブレイク、戦国大戦といったアーケードゲームの本が大半をしめている。内容に関しては良くも悪くも突出した部分がないが、価格がやや高い傾向にあるか。

•小学館
おもに任天堂のゲームや、コロコロコミックでプッシュしているゲームの攻略本をワンダーライフスペシャルといった形で出している。メインターゲットが小学生なため価格、内容ともに良心的。だが、小学館ならではというものはない(ような気がする)。

•メディアファクトリー
昔は様々なゲームの攻略本を出していたが、現在はおもにポケモンシリーズの攻略本で有名。ポケモンシリーズは様々な出版社から同時多発的に攻略本が出版されるが、メディアファクトリー製のものは評判が高い。

•徳間書店
主に任天堂のゲームの攻略本を担当。一時期マイコミから出ていたニンテンドードリームが徳間を版元としたことで、同編集部の攻略本が主だが、ゲームデータベース&裏技を全機種分収録した「大技林」というタウンページも真っ青な分厚さの本などでも有名。小学館同様に「これじゃないと!」というものはあまりないが、メインターゲット層を低く置いているため、価格や内容にそこまでひどいものもない。

•スクウェア・エニックス
自社ゲームのほか、時々他社のゲームの攻略本や画集なども。とくに最近では、驚くことにコナミのMGSシリーズの攻略本も出しており、今後の他社ゲームへの取り組み方が気になるところ。白眉なのは、なんといってもスタジオベントスタッフが手掛けているアルティマニアシリーズ。アルティマニアシリーズ以外は割と当たり外れもあるため、スクエニの攻略本だから大丈夫だろという思い込みは危険。
•カプコン
自社ゲームの攻略本のほか、画集や設定資料集などを出している。攻略本はタイトルによってはかなり早いタイミングで出すことがあり、デッドライジングなどは同時発売の本にも関わらず最後まで攻略をしていた。モンスターハンターシリーズの本に関しては、販売時期によっては内容が完全でないことがあるため、メーカー直々の本だからといって無条件で手を出すのはリスクがある(オフィシャルハンターズガイドが好例)。